ユニカル・ラボラトリー

menu

【メンバーインタビュー】本業とUniculがいかしあっているから楽しい。大切なのは“選択肢の幅を広げる”こと

画像下が玉井さん

NPOでのボランティアや、共通の想いを持つ仲間と団体を立ち上げての活動。それは時間がある大学生のうちしかできない…いえいえ、必ずしもそうとは限らないかもしれません。

今回は、本業の仕事をしながらUniculで活動している玉井 貴大(たまい たかひろ)さんにインタビューしました。


大学3年生でUniculに加入して1年間活動し、就職した後、一昨年Uniculに復帰した玉井さん。そんな玉井さんに、社会人となってなぜUniculに戻ってきたのか、その背景にはどんな想いがあるのかについてお話を伺いました。


NPOや学生団体に所属している大学生のみなさんにはぜひ読んでいただきたいお話です。

文中の表記→玉:玉井さん、インタビュアー・・・瀧:瀧澤咲希 宮:宮川周平

瀧:まず最初に自己紹介お願いします。

玉:東京都内のメーカーで経理の仕事をしています。新卒で入社して6年目です。Uniculでは、ITチームってことになっているんですけど、ゆる〜く所属しているという状態です


質の違いが相乗効果になる Uniculに戻って気づいたこと

瀧:一昨年Uniculに復帰されたということですが、どういうきっかけで復帰されたんですか?

玉:今の企業に入って最初の3年間は地方に勤務していたんですけど、その間に、学生時代の仲間はどうしているかなとか、最先端のベンチャーがどんな動きをしているかとか、東京にいた頃に感じていた肌感覚がなくなってしまったんですね。それで、自分はこのままで大丈夫なんだろうかっていう不安がすごくあって、東京に戻ったタイミングであらためて自分をアップデートしたい気持ちが生まれました。そんな風に思っているところで、Uniculも社会の変化に合わせて考え直す部分があるよねっていう話があったので、自分も一緒に考えたいと思って入りました。

瀧:それは、声をかけてもらったという感じですか?

玉:そうです。地方にいる間もずっとUniculのことは気にしていて、東京で仕事が落ち着いたらまたUniculに戻るのもアリかな〜とは思っていました。

瀧:おぉ!そうなんですね。社会人として戻ってきて、仕事への影響や気持ちの変化はあったんでしょうか?

玉:そうですね〜経理の仕事では社内の人を相手にすることが多いんですけど、Uniculに戻って、社外の人、しかも異なる職種の人と一緒に活動することで刺激になるし、あらためて自分の得意不得意を感じたりとかもします。あとは、最新のキャリア観とか、今の時代に必要な考え方をアップデートできている気がしています。

瀧:そうなんですね。本業とUniculという二足のわらじを履いてらっしゃいますが、大学時代に現在のような将来像は見えていたんですか?

玉:少しは見えてました。当時…今もそうかもしれないんですが、学生団体がする活動がお金をもらいづらいというのは感じていたので、社会人になってもそういった団体に関わるなら、企業に入ったうえでかけ持ちするのが1つの方法かなとは思っていました。なので、学生のころから本業とプラスアルファで活動するっていうのは想像できてたかと思います。

瀧:なるほど。今実際にUnicul参加されてるわけなんですけど、大変じゃないですか?

玉:うーん、そうですね…。仕事って大きく分けるとルーティンワーク的な仕事とアイデアを出していく創造的な仕事があると思うんですけど、かけ持ちするとしたら、違うタイプの仕事を組み合わせた方が続けやすいと思っていて、今はうまく切り替えながらやっていけてるなというのは感じています。

瀧:そうなんですね〜。かけ持ちするものは質が違う方がいいと考えているんですね。

玉:はい。あと、社会人になってからは、本業との相乗効果があるなって思っていて、特にUniculはいろいろなバックグラウンドの人がいるので、視野が広がって考え方が柔軟になったり、自分自身のキャリアを考え直せるチャンスもあったりするので、今もUniculに関わっているのかな、とあらためて思いました。

宮:キャリアを考え直したり…って具体的にどんなことを考えたりしているんですか?

玉:働いていると、学生時代に考えたこととかポロポロ忘れていくんですけど、ワークショップを運営したり、自分のことを題材にしてもらう機会があることで、あらためて「自分ってこんなこと考えてたんだよな」っていうのを振り返ることができて、それがキャリアを迷った時の道しるべになるという感じはありますね。異動先を考えたりとか、転職を考えようかなと思った時に立ち戻れるきっかけになってるとは思います。

宮:本業とUniculがいかしあってる感じがしますね!!

玉:そうですね。でも最近は本業でも頭を使うことが多くて頻繁には関われてないんですけど、そんな私みたいなメンバーも許容してくれる場であるのは嬉しいです。社会人でも気軽に参加できるのは貴重だと思います。


現在地が楽しいのは“譲らなかった想い”があったから

2015年、東大5月祭で開催したワークショップ

瀧:最初にUniculに参加されたのは、どんなきっかけだったんですか?

玉:きっかけは大学3年の5月に教育関係の団体を集めたイベントがあって、そこでUniculを知りました。元々教育に関心があって、ビジョン・ミッション・バリューが自分の想いとマッチしていたのと、当時まだよく知らなかったワークショップ自体に興味があったので参加しました。

宮:元々教育に関心があったというのは?

玉:小学校の頃に良い先生に出会ったのがきっかけですね。その先生は、興味を引き出してくれたりとか、私が面白い!って思うことにどんどんのめり込ませてくれたりとかしました。いろいろと後押しをしてくれて、そこから楽しいなって思えたりとか、勉強もできるようになったなというのがあるので、私もそんな風に「人の力を引き出せるような人になりたい」「人生を楽しく過ごせる人が増えてほしい」っていう想いがありました。

宮:それで教育という方向に進んで行ったということなんですね。

玉:そうですね。それで、先生になりたいと思っていたんですけど、大学受験に失敗したんですよ。それで浪人したときにすごく悩みました。これから自分は何のために頑張るんだろうということを考えて、職業のことだったり、自分は何のために生きるんだろうって考えたりしてました。それで、先生になると自分のやりたいことよりも仕事に追われる比率の方が大きくなってしまうんじゃないかと思ったので、教師になる以外の形で、教育に関わる方法や自分のやりたいことをできる方法を探してみようという感覚にはなりました。

宮:浪人のときにそこまで考えてたんですね!いや〜すごいです。
瀧:実際の就活ではどんなことを考えてしていたんですか?

玉:やりたいことができるかどうかと、会社が目指していることに共感できるかが基準ですね。仕事の目的に納得感をもってできるかっていうのが一番大切にしていたことだと思います。

瀧:Uniculの活動から就活に生きたこともありますか?

玉:Uniculで活動してたので、この先も教育に関わりたいという想いはあったんですけど、本業で真正面から教育にアプローチしなくても、またUniculに参加すれば教育に関わり続けることはできるなって思いました。

瀧:確かにそうですよね。先生じゃなくても教育に関わる方法があるというのは、私もUniculを通して思いました。

玉:そうなんですよ。でも実は就活けっこう苦労してて(笑)内定をもらえない状況が続いて秋くらいにようやく今の企業に決まりました。「自分がやりたいことができるか」「共感できるか」っていうのを譲らずに突き通していたのが苦労した一因かもしれないですね(笑)でも、譲らなかったからこそ、今の企業で働き続けられているのかな〜というふうにも思います。もしそこで譲って違う企業に行っていたら、辞めたいなと思ったり、苦しみながら働いていたんだろうなっていう気はしますね。

宮:話を聞いていて、芯の部分が強いな〜と思ったんですが、「他人の力を引き出せる人になりたい」「人生を楽しく過ごせる人が増えてほしい」という想いは、今も変わってないんでしょうか?

玉:変わってないですね。今はちょうど経理の中でも人材育成を考えるポジションにいることもあってすごく意識しています。特に、同じ場所で働く人がもっと楽しく働けるようにということを考えていますね。


お悩み中のあなたに「贈る言葉」

台湾で日本文化を教えるインターンを経験

宮:たっきー(瀧澤)からも玉井さんに何か質問ありますか?
瀧:いや〜そうですね(汗)私は大学1年で、やりたいことの軸はなんとなくあるんですけど、具体的な職業のイメージができてなくて…講義も生活もサークルも、とりあえずやりたいものをやってみて、違うと思ったら道を変えるみたいなことをしてるんですが、なんとなく将来がぼやけた状態なので、自分が前に進んでいるのか分からなくて不安で(笑)とりあえずどんな職業につきたいかを考えたほうがいいのか、興味あることにずっと取り組んでいって、結果的にこれだったなってしたほうがいいのか、玉井さんはどう思いますか?

玉:うーん…私の場合はすごく心配性だったんですよね(笑)自分の想いや勘を大切に積極的に動く一方で、何かあっても大丈夫なようにセーフティネットとなる選択肢を残すようにしながら道を選ぶタイプでした。インターンやボランティアも含めて、具体的な職業というポイントから社会のことを知ってみる機会はあってもいいと思います。例えば私は、台湾で1か月半日本文化を教えるインターンをしてみたり、小学校の先生を現場でサポートするボランティアもしてみたりしました。参考になったでしょうか?(笑)

瀧:ありがとうございます!参考になりました。
宮:今インターンの話が出たので聞いてみたいことが…

玉:なんでしょう?

宮:最近は、大学生のしかも早いうちからこぞってインターンに行く風潮がある気がするんですけど、玉井さんはどんなふうに見ていますか?

玉:そうですね〜。インターンとかって、何かを得たいとか、考えたいって思って参加するのは大事だと思います。流れで参加するのはあんまりよくないのかなあ…。私の学生時代よりも機会は多いので、何度も参加しているうちに気づくものに巡り合うということもあるし、羨ましいな〜とは思います(笑)

宮:今学生団体などに関わっている大学生で、この先社会人になっても本業と別で団体に関わるかどうか悩んでる人もいると思うんですが、その方たちにかける言葉はありますか?

玉:今は選択肢がものすごく増えていて機会もたくさんあると思うんですが、選択肢が増えている分逆に難しいこともあると思います。やりようによっては何でもできる世の中だからこそのジレンマかもしれません。やりたいことがはっきり決まっていればそこに突き進むのもありです。私の場合は「これがやりたい」という明確なものはなかったので、何か見つけたときや興味を持ったときにその方向に進めるように選択肢の幅を増やしてきました。私みたいな方は選択肢の幅を狭めないようにしておくのをおすすめしますね。

宮:なにか刺さるものに出会ったときに一歩踏み出しやすい環境を作っておくみたいなことですかね?

玉:そうですね。軸を持ちつつも、運とか縁とかが導いてくれることもあると思っているので。チャンスを増やしていくとか、点を増やしていっていつかつながればいいんじゃないかなあとも思います。


【インタビュー後記】

学生時代はバリバリに学生団体に関わっていても、就職のタイミングで離れる人は少なくないように思います。一度社会に出て、別の立場を経験したからこそ戻りたいと思った玉井さん。どう変化するか分からない世の中だからこそ、可能性を増やすという意味でも、もう一度立ち返ってみるという選択肢を考えておくのもよいのではないでしょうか。

(企画・インタビュアー・執筆/瀧澤咲希・宮川周平、編集/野本隆大