7月7日に、会津若松市が主催する「グローバル人材育成事業」の2024年度 第1回ワークショップを開催しました。
企画趣旨
グローバル人材育成事業とは、会津若松市が主催する会津地域の高校生を対象としたプログラムです。英語カフェへの参加やサマーキャンプを通して、国際社会・異文化に触れ、グローバルな視点を身につけることを目指しています。
私たちUnicul Laboratoryは、2017年度より本事業のプログラムのうち「グローバル人材としての自分」を考えるワークショップの企画・運営を担当しており、今年度は全3回のワークショップ及び成果報告会の企画運営を担当させていただきます。
※過年度のワークショップの様子は こちら
今年度のワークショップについて
今年度の「グローバル人材としての自分」を考えるワークショップでは、全3回のワークショップを通して、以下のような目標を設定しました。
①会津の魅力を再発見する中で身近にあるグローバルに触れるチャンスや機会を最大限活用する
②過去・現在・未来の自分を知る中で視野を広げて未来を見据える
③将来に向けたステップとアクションプランを考える中で自分の可能性を見出し、行動力につなげる
これらの目標を達成するために、高校生のみなさんには、「会津まちあるき」→「人生路線図」→「無人島Quest」という順番でワークショップに取り組んでいただきました。
今年度のグローバル人材育成事業には、5校から計31名の高校生のみなさんが集まりました。
<2024年度参加校>
・会津学鳳高等学校 9名
・葵高等学校 7名
・会津高等学校 7名
・若松商業高等学校 1名
・会津若松ザベリオ学園高等学校 7名
プログラム参加前のアンケートでは、「国際的な知識を身につけて将来の夢の実現につなげたい」「国際的な視点を身につけ、色々な人の視点になって物事を考えられるようになりたい」など、さまざまな想いを持っていることがうかがえました。
「会津まちあるき」ワークショップ
初回は、「会津まちあるき」です。
「会津まちあるき」とは、実際に会津の町を散策し、身近にあるグローバルに触れるチャンスや機会を最大限活用するワークショップになっています。また、普段生活している会津若松市の魅力を再発見することもワークショップの目的として設定しました。
自分自身が大学進学を機に会津を離れて改めて会津の魅力に気づいたのですが、郷土愛が深まるだけでなく、会津のために何かできることはないかという考えに繋がりました。そのような思いもあり、郷土理解という観点から今回のワークを作りました。
目標
会津まちあるきでは、①今自分が考えているグローバルを言葉にする ②地域社会における多様なチャンスや機会を最大限に活用する方法を探る を目標にしました。
そのために、自分が今思い描いている「グローバル」を言語化し、グループで深掘りしていきました。その後実際に会津のまちを散策し身近にあるグローバルを探しました。
当日のワークショップの様子
ワークの導入として「会津といえば?」というお題について、参加者の皆さんに考えてもらいました。狙いとしては、郷土理解をする上で様々な人の会津についてのイメージを聞くことで、多様な視点で会津についてイメージを持ってもらうためです。実際に参加者の皆さんからは、建造物や歴史、文化など様々な意見が出ました。
次に「グローバルといえば?」というお題について考えてもらいました。抽象的で難しいお題でしたが、一人一人違う角度でグローバルについて考えてもらいました。
導入部分でそれぞれ意見をグループ内で共有することで新しい考えに触れた参加者の皆さんには、次に「会津×グローバルといえば?」というお題について考えてもらいました。そこで身近にある「グローバル」について考えた後に、現時点で自分が思い描く「グローバル人材」について言語化してもらいました。一人一人それぞれの「グローバル人材」を考えてもらった上で、今回のメインである「会津まちあるき」に進みました。
「会津まちあるき」では、最初にグループで、会津のどこにいけばグローバル化が進んでいる現場が見られるのか話し合ってもらい、まちあるきの計画を立ててもらいました。その後、実際にまちを散策してもらい、各グループでそれぞれに「グローバル化が進む会津若松市」の要素を見つけることができました。
最後に各グループで見つけてきた「グローバル化」をスライドにまとめて全体に向けて発表してもらいました。各グループが異なる点に着目したことを伝えあい、様々な考えを吸収することができました。
アンケート
今回のワークショップに参加した皆さんのアンケート結果では、ワークショップに参加して「とてもよかった」と回答した方が96.4%という結果になりました。
参加者の皆さんからは以下のような感想をいただきました。
- 会津についてまだまだ知らないことがあると分かった。また、まちあるきしたことで、意識していないだけで身近にグローバルなことがあるということに気付かされた。
- グローバル=海外と思い込んでる自分がいましたが、今回のワークショップを通して、視点を変えるだけで身近にはたくさんグローバルが潜んでいることに気づくことができてすごく楽しかったです!何気なく通っていた青春通りや他の班が行ったところも見方を変えると色々なところにグローバルが潜んでいて、新しい発見をたくさんすることができて良かったです。
- 正解がない質問で自由に考えられたのが面白かった。スタッフが優しく気軽に話しやすい環境をつくってくれて良かった。
- まちあるきが印象に残っています。ネットで調べるよりも実際に歩いて見た方が楽しく学習できました。
開催後記
今回自分が担当させていただいた「会津まちあるき」は、自分自身が高校生の時、グローバル人材育成事業に参加して、実際に1回目のワークショップとして経験したものでした。当時、漠然と将来は地元である会津のために尽くしたいと考えていた自分にとって、身近にあるグローバル化について考える機会や、様々な同世代の考えに触れた経験は今でも色濃く残っています。そのような素敵な経験の場に関われることがとても幸せでした。グローバル人材育成事業に関わった大学4年間は、参加者の皆さんと一緒に成長し続けることができた4年間でした。4年間の最後にメインファシリテーターとして作り上げたワークショップがとても充実したものになって本当によかったです。参加してくださった皆さん、ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
(第1回メインファシリテーター 横田大河)