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Uniculメンバーの就活~すべては「本当に私この大学行きたかったんだっけ…?」から始まった~

大学生には大学の授業のほかに、サークルやアルバイト、インターンといった、打ち込めるものの選択肢はたくさんある。

その中で非営利団体であるUniculになぜ入り、積極的に関わろうと思ったのか。

「キャリア団体で活動していく中でどのようにキャリアを考えていったのか」に迫っていきます。

今回は大学2年生になるタイミングでUniculの活動に参加し、新卒1年目になった今もUniculに関わり続けている齋藤亮子(さいとうあきこ)さんにインタビューしました。

目次(前編)

・自己紹介とUniculに入るまでの歩み

・小さな団体で活動する方が向いている?

・Uniculに打ち込んだわけ

・Uniculの活動と自身のキャリア選択

・非営利団体としてのUnicul

まず始めに簡単な自己紹介とUniculに入るまでの歩みを教えてください。

初めまして!私は福島県で生まれて、18歳まで生活をしていました。

私は幼少期を海外で過ごしたこともあって、国際関係やグローバルというキーワードに関心を持っていました。なので、英語が使えるとか、海外で仕事をするとか…そういう方向性で将来について考えていました。

私が通っていた高校は、1年次から卒業後の進路について考える機会が多かったので、幼少期の経験から国際系かな…と。なので、国際系が強いと言われるような大学を考えていました。職業ベースというよりは、興味関心ベースで行きたい大学を調べていました。

国際系に最も興味が強かった中で、高校1年生の時に母校の中学校の進路講演会にスピーカーとして呼んでもらったことがあって。その時に中学時代お世話になっていた先生から「亮子は先生に向いてるね」と言われたんです。特定の教科を教えるのかはさておき、自分の体験、経験を伝えるのは向いているかもしれないとこの頃から感じました。この経験がきっかけとなって、教育という分野に興味を持ち始めました。

いよいよ具体的に大学・学部を絞らねばならないとなった時、教育系か国際系か迷いましたが、女性なので資格が取得できる大学・学部がいいんじゃないかという家族の言葉もあって、教育系に進もうと思いました。

しかし実際は国際系の選択も捨てきれずにおり、教育系と国際系の両方に携われる場所を探していた時に、東京学芸大学の初等教育教員養成課程/国際教育という学部に出会いました。「教育×国際系」でまさに自分にピッタリだと思いました。

無事合格して入学したのですが、東京学芸大学は教員養成大学なので、周りは教員志望の学生が多く、授業内容も「どうすれば良い授業を作れるか」という実践的なものでした。元々教員志望が強くなかった私は「本当に私、この大学行きたかったんだっけ…?」と感じ始めました。

「私、良い授業をつくることには興味ないんだよな…」と思っていて。偏差値や大学名で大学を選ばず、どんな先生のもとで何を学びたいかということで大学を選べばよかったと思ったんです。

でも、そのことに気づいた時には既に大学3年生だったので、せめて興味のある学部へ転部するとか、今の大学を卒業したらもう1回別の大学に入り直すか…など自分の進路について色々と考えはじめました。自分の将来悩んでいた時、

「もしかしたら、私みたいに大学入学後に大学選択に後悔している人が他にもいるのかもしれない。中高生時代に進路選択をちゃんと考えられる機会をつくれないだろうか。」

と思ったのがキャリア教育へのきっかけでした。加えて、ちょうど大学でも何か打ち込めるものが欲しいと思っていたタイミングで、そんな時にUniculに出会ったんです。

「キャリア教育」「学生団体」「ボランティア」などのキーワードでページをいつもなら見ないくらいめくって行ったときに、Uniculを見つけました。

大きな団体で小さな仕事をこなすより小さな団体で大きな仕事をこなすことが合っていると感じていたし、魅力的でした。それに加えて、地元の会津若松で取り組みをしていて、大学生になって地元に何か貢献できるのはいいなと思いました。

小さな団体で活動する方が向いていると感じたのはなぜですか?

私は幼小中一貫の私立に通っていたのですが、学年は2クラス合わせても60人いないくらいの小規模校でした。教科によっては、さらに少人数に分かれるような感じだったので、先生とは距離が近かったし友だちとも10年近く一緒にいました。仲良い人たちといろいろなことにチャレンジするのは楽しかったし、規模が小さいからこそ様々なチャレンジがしやすい環境だなというのは感じていましたね。小さな組織だからこそ、メンバーとの距離が近い中で様々にチャレンジできること、自分の力を発揮できることはとても楽しいと思っていたし、自分のやりたいことだなと思っていました。

打ち込めるものをUniculにしようと思ったのか?入ってから打ち込もうと思ったのかどっちなんでしょうか?

結論から言うと、バイト・サークルのどちらにも打ち込めていなかったからUniculに決めました。色んなアルバイトをやってみて、楽しかったし、成長を感じながらお金を稼げるという意味で有益に感じていたけど「大学生活を捧げるほどのものではないな〜…」と思っていました。

もっとつらい経験をしてまでもこれをやりたい!みたいなものに出会いたい気持ちがずっとあったんです。いっそのこと辛いって思えるくらいまでなにかにとことんやりたいなって考えてました。中学・高校と部活に打ち込んでいたから、そういうのがなくなっちゃった寂しさはあったのかな?と思います。

Uniculのホームページをみたときに、具体的に何をしてるかはよく分からなかったけど、地元の福島での企画は「6泊7日の中で、中学生と大学生が寝食をともにしながら自分に向き合う」って書いてあって。初めて会う中学生と1週間過ごしながら、自分に向き合うって、間違いなくこれは辛いだろ!準備も大変に決まってるし、こういうのやりたいかも!と思ってUniculに入ったのはあるかもしれないです(笑)

大学から社会人になるにあたってのキャリアの決め方とUniculでの活動はどうつながってましたか?

私は就活を2回しているのですが、1回目の就活はUniculの活動がすごい忙しかったこともあって(笑)未来人財の準備は半年かけて8月に本番、グローバルは月1で会津に行っていてその時期が重なってるのが大変だった。本番は日曜日だったから次の日起きれないし(笑)すごい大変だったけど、現場に行くと感じること、学べることがたくさんあった。

2回目の就活では、Uniculでの経験が色濃く影響してるかな…。

でも1回目の就活はあまり上手くいきませんでした。

大学3年の夏くらいから始めて…私はそのとき、Uniculの企画「プラチナ未来人財育成塾」「会津若松市グローバル人材育成事業」のリーダーを終わったあとだったので、この2つ乗り越えた私なら就活も絶対イケる!っていう謎の自信があって(笑)

でも大手企業をたくさん受けていた中で、ESと1,2次面接は通っても、3,4次面接で「どうしてうちなんですか?うちでなにがしたいのか?」と聞かれたときに全然答えられなくて。

私自身、キャリアの描き方として、やりたいことから逆算するよりも、目の前にあることに食らいつきながら次を見据えてまた動くタイプだったから、5年後なにしたい?、10年後何になってたい?って言われても困ったんです。みんながみんな、そんなふうにキャリアを決めてるわけじゃない!」って(笑)

じゃあ「今」私は何をしたいんだろう?って考えたとき、大学選択に失敗した経験から頭の片隅にずっとあった「大学院」っていう選択肢がふと出てきたんです。

就活をしながら、自分の大学生活を振り返ったとき、

「4年間でどれだけ専門性を身につけられたんだろう?」

と思いました。振り返ってみると、大学1,2年生の時は「大学を辞めたい」と思っていて、3年生になって「教育って面白い」と思い始め、結局トータル1年半くらいしか研究できていないことに気付きました。っ「自分が探究したいテーマをとことん研究して、自分也の専門性を身につけたい」と思い、そしてそこで大学院っていう選択肢が明確に出てきたんです。

でもそのことに気づいたのは9月くらいで、大学院の入学試験の締め切りギリギリでした(笑)どうすべか姉に相談したら、「採ってくれる企業はまだあるから就活は続けられると思う。でもだめだったときに、保険としてでもいいから大学院を志願した方がいい」と言われました。志願書を出した時点で気持ちは決まりました。

Uniculに入って具体的にどんな活動をしてたんですか?

主に、「未来人財育成塾」(大学2,3,4年生,修士1年生、うち1回はリーダー。以下、未来人財と表記)と「会津若松市グローバル人材育成事業」のリーダー(2回、以下グローバルと表記)ほかにも単発のワークショップに関わっていました。大学4年生まではやプロジェクトの運営側だったのですが、修士1年生になるときに、ここからはUnicul内で経験したことを下の世代に伝えていきたい・育成していきたいという想いが芽生えて、人事チームを立ち上げました。

ですが、今は人事チームを離れて「プログラム開発」というチームにいます。メンバーの育成というより、メンバーが伝えていくプログラムの内容をブラッシュアップする方に興味があるなって気づいたので。

非営利団体に関わるという選択肢を取る大学生は少ないと思うのですが、Uniculを非営利団体としての切り口から見たときに思うことってありますか?

元々有償であることにこだわりのある人間ではなくて、いわゆるボランティアもよくやっていました。もちろん有償であれば嬉しいけど、お金を稼ぐことにそんなに興味がなくて、

でもUniculはボランティアという枠でもなく、お金を貰わずとも関わり続けたいと思える、不思議な立ち位置ですね。

正直他にインターンをする余裕がないくらいとても大変だったし、これで有償じゃないんだって思うくらいのことしていたと思います。でも、それでもこの団体に関わり続けたいと思えるのは、初めて参加した未来人財で大きな衝撃を受けたからです。

1週間の企画の中で人の成長・人が変わる瞬間を目の当たりにして「昨日〇〇じゃなかったのに今日になってそんなに変わったの!?」とか、めったに見ることができない“瞬間”に立ち会えたのは大きな衝撃でした。そして、自分がそこに貢献できた喜びがあって、この経験が私の根っこにずっとある。Uniculを続けている理由でもあるし、生き方とか人生に根付いているものがその瞬間にあって、だから辛いけど、お給料が発生するわけではないけど、そんな子たちのためにUniculに関わるという選択を続けているんだと思います。

当時の参加者がUniculに関わってくれて、その子たちを失望させたくなかったり、憧れて入ってきたこの団体で、たくさんの経験をしてもらいたい、というのも今続けているモチベーションです!

後編では2回目の就活で気づいた軸や今後の展望についてインタビューしました!

お楽しみに!

(企画・インタビュアー・編集:山岡宗一郎森青花