Unicul Laboratory(以下「ユニカル」と表記)のプログラムを導入いただいた全国の中学校、高校の先生にインタビュー!
今回は、福岡県中間市立 中間東中学校の高倉先生にお話を伺いました。
高倉先生とはこれまで、オンラインでの進路に関する授業を2回ご一緒させていただきました。
― はじめに、高倉先生とユニカルの出会いを教えていただけますか。
私が中間東中学校に異動する以前の話ですけど、
2019年にユニカルの丸谷さんと、
熊本で開催されたICT教育に関する勉強会(※)で知り合ったことがきっかけですね。
終了後の懇親会で、たまたま向かいの席になったんです。
(※)「九州ICT教育支援協議会 2019 未来への学びに向けて、今何をすべきか」 九州ICT教育支援協議会が熊本大学にて開催したセミナー
― 当時、代表の丸谷とは、どのようなお話をされましたか?
ユニカルの活動理念とか活動状況を、丸谷さんからお聞きしていくうちに興味を持ちまして。
”福岡に戻った後で、一緒に面白いことしたいですね”なんて
そんな話で盛り上がって、その日はそれで別れました。
紹介いただいた事例の中でも特に興味深かったのは、
伊那谷サマースクールの取り組みですね。
当時、私がいた学校でやってみたいなという思いが湧いて、実際に導入できるかを検討したんです。
ただ、学年全体での実施となれば、スタッフの人数はある程度確保したい。
でも、時間割の調整もセットで考えないといけない。
とても難しい調整が必要だとわかって、実施は諦めることにしました。
それでもどうにかして形にしたいと、強く思っていました。
そこで、私が学校外で運営していた勉強会と
ユニカルさんとのタイアップ企画という座組を新たに作って
それを公民館で実施しようと、丸谷さんとお話を進めていくことにしたんです。
― タイアップ企画ですか!想像するとワクワクしてきますね!
それが、残念なことにコロナ禍と時期がちょうど重なって、
対面でのイベント実施が厳しい状況になってしまって。
逆に、オンラインでできるイベントにしたらどうか?
という案が出て、上手い具合に企画形式が変わっていったんです。
―2020年ごろのお話ですね。
当時、オンラインに切り替えて開催することに対して不安は感じませんでしたか?
そうですね……少なからずありましたね。
当時はGIGA端末が導入される前で、
生徒も職員もZoomで講演会を開催すること自体が初めてでしたし。
こういった新しいスタイルはみんなに受け入れてもらえるのかな、とか。
そういう不安はありましたよ。
― 新しいスタイルへのハードルは高かったのでしょうか?
でも、実際にやってみたところ、
オンラインのメリットを理解してもらえたみたいで良かったです。
その他の授業でもZoomを活用することができたし、スムーズに対応できるようになっていきました。
ユニカルさんのおかげで、1回目のオンライン講演を成功させることができたからだと思っています。
― ありがとうございます!お役に立てたようで、うれしいです。
生徒や職員の間でもイベントの評判が良かったですし、
”私が異動してからもよろしくお願いします”ということで、
開催時期は未定ではあったけど、先にお話だけしていたんですよ。
そういった経緯があって、
“2回目のオンラインイベントを中間東中学校でやりたい!”と、正式にお願いしました。
― 先生にとって、2回目のオンライン講演会ということですね。
中間東中学校の生徒さんの反応はどうでしたか?
シンガポールからオンラインで参加してくれた社会人のスタッフの方に、
生徒たちは大きく注目していましたね。
普段は県内や市内地域の人とお話をしていますが、
オンラインなら全世界から参加できますし、
遠く離れた国に住んでいる人たちとも制約なく繋がることに気付いて、改めて感動しました。
生徒たちも、”シンガポール!?”と言っていて
非常に驚いていましたし、興奮気味でした!
私の学生時代にはなかったツールでこれだけの経験が得られる。
そのことを実感できたことが、個人的に良かったです。
オンライン開催に大きな可能性を感じました。
― 高倉先生が思う、ユニカルの良いところを教えてください!
そうですね。大きく2つあります。
ひとつは、ユニカルのスタッフさんの年齢です。
うちの生徒たちと年齢が近いので非常にいいと思います。
― 確かに、ユニカルのスタッフは大学生がメインで活動しています。
こちらでも、地域で働かれている方をお招きして
講演していただく就職セミナーはあるんですけど、
基本的には登壇していただく方と年齢が離れていますね。
一方、ユニカルさんは学生さんが主体になって活動されています。
生徒たちからすれば 、自分よりも年上の先輩たちのリアルなお話を聞くことができます。
それと、社会人になる前の学生さんと接点をもてたことは、私にとっても新鮮な経験でした。
― 就職する手前の年齢、といったところがポイントでしょうか?
そうですね。
これから就職して社会人になる方は生徒たちより5歳程度年上なので、
未来について考えるときのロールモデルとして最適だと思います。
中学生で進学先の高校を選択して、高校生で次の進路を選択する。
それは、大きな壁を迎えるタイミングですよね。
そういう経験を経てきた先輩たち―自分たちに近い存在が、
当時は何を考えて、考えた上で行動して、最終的にどんな選択をしたのか。
そういった体験談を直接聞けたことは、とても良かったと思っています。
― ありがとうございます。先ほど仰っていた、高倉先生にとっての新鮮な経験とは何ですか?
自分自身のこれからの仕事をどう捉えていこうかな…と、
きちんと自分で考えている人の話はリアルですね。
真実味があって、職員側も勉強になった。
そこが一番良かったです。
― 高倉先生が勉強になったと仰っている点について具体的にお伺いしたいです。
まず、私たちの世代といまの学生たちの世代を比較すると、
日本社会も世界情勢も大きく変化してきています。
GDPランキングも違いますし、これまで安定とされてきた終身雇用社会も崩れる中で、
特に現代の学生たちは予測困難な時代に進路選択を迫られていると感じています。
進路選択という大きなライフイベントに関連したリアルな話を聞いて感心したし……。
いまの大学生はこんなことまで考えているんだなぁと驚きもした。
やってみて、たくさんの収穫がありました。
― そうだったのですね!
確かに、私も大学生になってから、内省する時間は増えたと感じています!
ユニカルの良いところ。
ふたつ目は、活動内容も含めた存在そのものです。
学校でも自宅でもない、
それらと異なる”居場所”なんだなと感じました。
ユニカルには社会人の方もスタッフにいらっしゃるでしょう。
学生と社会人が、それぞれの立場や年齢の壁を超えて
一緒に活動できる場所。
それがユニカルの姿なんじゃないかと。
パラレルキャリアの考えに近いものを感じました。
新しいキャリアの在り方だなと思いますよ。
― 最後に、生徒さんや高倉先生から、
ユニカルに対するご希望はありますか?
今度、講演会を再び実施できる機会があれば、
生徒たちを少人数のグループに分けるやり方はどうかなと考えています。
1グループ10名程度にスピーカーを1名配置する形式でやってみたいですね。
今回は生徒90人にスピーカー1名の距離感だったので、
それをもっと近づけられたらいいのではないかと思います。
― なるほど!それはお互いの距離がグッと近くなりますね!
そうなんです。
そうすると、お互いがしゃべりやすい環境になると思います。
実は、大勢の前で質問すると他の生徒から一斉に注目を浴びてしまって、
生徒たちにはなかなか挙手しづらい状況でもあるんです。
それに、 スピーカーの方もずっと話しやすくなるかもしれませんね。
聞き手の反応が近くで、リアルタイムに伝わってくるはずなので。
― いいですね。いい意味で”こじんまり”とした距離感。双方向のやりとりが活発になることで、
イベントに参加することをもっと楽しめますね。ご意見ありがとうございます。
そういえば、イベント終了後にアンケートを取りましたよね!
生徒ひとりひとりのコメントに対して、
後日、丁寧な返信をくれたことは嬉しかったですよ。生徒たちも喜んでいました。
どうも、ありがとうございました。
― 高倉先生、取材にご協力いただき本当にありがとうございました!
(取材:細野 出帆 執筆:佐々木 美生)